【4月9日 AFP】エクアドルの首都キトのメキシコ大使館に政治亡命を求め身を寄せていたホルヘ・グラス(Jorge Glas)元副大統領(54)が当局に身柄を拘束されていた問題で、矯正当局は8日、同氏が食事の摂取を拒否したため病院に搬送されたことを明らかにした。

 矯正当局によると、グラス氏はグアヤキル(Guayaquil )の海軍病院に入院している。容体は落ち着いているが、観察下に置かれるという。

 グラス氏には汚職の容疑で逮捕状が出ており、昨年12月からメキシコ大使館に逃れていた。今月5日に亡命が認められたが、その数時間後、大使館に突入したエクアドル当局に拘束された。

 矯正当局によると、グラス氏は8日の点呼に応えなかった。食事を24時間拒否したため体調を崩したとみられ、病院に搬送された。

 現地メディアは警察の報告書を引用し、グラス氏は抗うつ薬を摂取し、昏睡(こんすい)状態に陥ったと報じている。

 グラス氏の拘束後、メキシコはエクアドルと断交し、外交官を引き揚げた。その上で、エクアドルを国際司法裁判所(ICJ)に提訴する意向を示していた。

 外交関係に関するウィーン条約では、大使館は不可侵と定められており、エクアドルに対しては国際社会からも非難の声が上がっている。(c)AFP