【4月6日 東方新報】中国から海外向けの特殊貨物輸送の増加を見越した中国の海運会社が新たに80隻以上の特殊貨物船を発注した。

 発注者は中国最大手の国営系海運グループ「中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ、Cosco)」傘下の「中遠海運特殊運輸(COSCO Shipping Specialized Carriers)」で、福建省(Fujian)の厦門船舶重工(Xiamen Shipbuilding Industry)など国内の造船所にそれぞれ発注された。

「特殊貨物船」とは、自動車運搬専用のRORO船、重量貨物積載のため大型起重機を装備した、ヘビーリフト船超大型構造物輸送のため船体を沈ませて荷台プラットフォームを形成するセミサブマーシブル船、貨物室の容積を変化させ温度と湿度の制御機能を備えたパルプ輸送専用船などを指す。

 今回発注された主な特殊貨物船は自動車7000~8600台の輸送が可能なRORO船24隻、パルプ運搬船20隻、ヘビーリフト船などで、同社の輸送能力は2026年までに1000万載貨重量トン以上拡大される。

 同社は、船隊規模で世界最大級の特殊貨物船運航会社で、多目的船、重量物運搬船、半潜水艇、アスファルト運搬船を含む140隻以上の船舶を所有している。同社の船隊は、石油掘削装置、土木機械、港湾機械、機関車、風車、橋梁クレーン、設備一式を含む大型貨物や重量超過貨物を世界中の目的港に輸送することができるという。

 中国の自動車産業が新たな輸出時代を迎える中、「中遠海運特殊運輸」は23年、前年比228パーセント増となる24万8000台の乗用車を海外に輸送した。

 北京市の中央財経大学(Central University of Finance and Economics)国際貿易経済学院の張暁濤(Zhang Xiaotao)院長は「中国の輸出業者やインフラ・プロジェクト請負業者による大型製品の海外輸送需要は長期的に持続する。現在のグローバル・サプライチェーンの再構築は、中国メーカーにとって、変化する市場ニーズに自社の能力を適合させる機会を提供することになる」との考えを述べた。

 また張氏は「中国企業は、電気自動車、鉄道、建設機械、風力タービン、太陽光発電製品などの分野で強い競争力を発揮しており、すでに多くの国々に受け入れられている」と付け加えた。

 税関総署のデータによると、中国の対外貿易は、今年最初の2か月で前年同期比8.7パーセント増の6兆6100億元(約138兆1390億円)に拡大し、そのうち機械・電気製品の輸出額は前年同期比11.8パーセント増の2兆2200億元(約46兆3947億円)と順調な伸びを見せている。(c)東方新報/AFPBB News