【3月29日 CGTN Japanese】中国東北部にある遼寧省盤錦市の盤山県農業農村局の職員はこのほど、連続観測統計によると、遼東湾海域に回遊してきた西太平洋ゴマフアザラシは2021年が181頭で、2022年が253頭、2023年が302頭と年々増加傾向にあり、今年は昨年よりも20パーセント前後増加する見通しと説明しました。

 盤錦市の遼東湾海域では気温の上昇と海氷の融解に伴い、到来した西太平洋ゴマフアザラシが活発に活動しています。盤錦湿地保護協会海洋動物研究室の田継光主任は、「この1週間に、干潟で集団で日なたぼっこをする西太平洋ゴマフアザラシが毎日200頭以上観測されている」と説明しました。

 遼東湾海域は中国近海の凍結海域の最北端に位置し、世界に8か所ある西太平洋ゴマフアザラシの繁殖地域のうちの最南端の一つです。西太平洋ゴマフアザラシは毎年11月から12月にかけて遼東湾に回遊してきて、翌年の1月から2月にかけて流氷上で出産や育児を行い、4月から5月にかけて栄養補給を終えた後に、徐々に渤海を抜けて太平洋を北上するとのことです。

 近年、盤錦市は海洋での養殖をやめて湿地に戻すことに力を入れ、海岸沿いの湿地を5733ヘクタール回復させ、海岸線を17.6キロ増やし、毎年回遊してくる西太平洋ゴマフアザラシに良好な環境を整えました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News