【3月28日 CGTN Japanese】中国史上「最年少クルー」として、有人宇宙船「神舟17号」に5か月間滞在してきた3人の宇宙飛行士はさまざまな科学実験を実施し、数々の進展を見せています。

「神舟17号」の乗組員と地上の科学研究者は14日、密接に協力して船外暴露実験材料サンプルの初の回収作業を順調に完了しました。初の船外暴露実験材料のサンプルには非金属と金属の2種類、計407点が含まれます。これらのサンプルは宇宙飛行士による分解と保存を経て、「神舟17号」と共に地球に戻り、その後科学者が地球上で研究を進めます。

 初の船外暴露材料のサンプルは2022年11月に宇宙貨物船「天舟5号」に搭載され、材料装置と共に中国の宇宙ステーションへ運ばれました。暴露実験を通じて材料の組織構造の損傷や性能の劣化、機能の喪失と破壊などのメカニズムを明らかにすることができるほか、フレキシブルな太陽翼などの宇宙空間で展開可能な大型部品材料、宇宙空間の部品潤滑材料、月基地の建設材料、精密電子設備の中性子遮蔽(しゃへい)材料など先進的な材料の宇宙空間での応用を促します。

 また、宇宙空間での応用の重要な分野として、宇宙医学分野でも多項目の実験が同時に展開され、人類の長期間にわたる宇宙飛行を制約する主な医学的・人的課題の解決に取り組みます。「神舟17号」の3人の宇宙飛行士は協力しながら、下肢運動学のテスト実験を行い、無重力環境下での運動生物力学的特徴を研究しています。さらに、宇宙飛行に関する視力機能の研究も進められ、宇宙飛行関連の視力機能損傷の発症メカニズムを研究し、対応する予防と保護案を提出します。

 紹介によりますと、新たな科学実験サンプルは数回にわたり中国の宇宙ステーションに運ばれます。うち、受動放射冷却材料や光ファイバー材料、光学フィルム材料などはすでに宇宙貨物船「天舟7号」に搭載され、宇宙ステーションに運ばれました。今年5月に宇宙飛行士らが船外暴露実験材料装置の装着を終えた後、新たな船外暴露実験が始まる予定です。(c)CGTN Japanese/AFPBB News