【10月3日 CGTN Japanese】「空飛ぶクルマで通勤する」、まるでSF映画のような話ですが、中国で近い将来に実現するかもしれません。このほど、中国で人を乗せた自動運転離着陸機「eVTOL(イーブイトール)」の試験飛行が、正式な運行段階に入りました。

 eVTOLとは、垂直に離着陸が可能な電動の機体のことで、「空飛ぶクルマ」とも呼ばれます。電動モーターによって推進力を得るため、小型ヘリコプターの機能を備え、比較的低い場所を飛ぶ新たな空の移動手段として注目されています。いま中国では、航空機の模型開発や農業、災害救助などの分野で大いに活用されています。

 例えば、今年8月に発生した中国北部の河北省の洪水災害では、「大白鯊(ホオジロザメ)」という名称のeVTOL機体が、狭い場所でも離着陸できる優位性を生かして、災害現場の情報をいち早く調べて送信するという活躍をしました。また、先月下旬に行われた2023世界製造業大会では、中国のTCab Tech社が自主開発した最先端の「空飛ぶクルマ」であるE20eVTOLが公開されました。最大5人を巡航時速260キロで運び、最高時速320キロに達するということです。

 ヘリコプターと比べると、eVTOLは動力のすべてが電気であることから、騒音が抑えられ、より環境に優しい、未来都市の交通モビリティとして期待されています。ハイテク技術の開発に取り組む中国は、人を乗せたeVTOLの試験飛行を率先的に開始し、監督管理や運行基準の策定段階にも入っています。

 eVTOLの分野では、中国と日本の協力の見通しも明るいです。今年2月17日、中国メーカーEHangが製造したeVTOL機「EH216」が、日本の大分市の海岸での試験飛行に成功しました。2人を乗せてあらかじめプログラムされたルートを自動で飛行するという内容のもので、日本国内において人を乗せたeVTOLの試験飛行に成功したのは、これが初となりました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News