【3月26日 AFP】サッカースペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に所属するブラジル代表FWのビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)が25日、スペインで度重なる人種差別に遭い、プレーへの意欲が削がれていると涙ながらに話した。

 23歳のビニシウスは近年、相手チームのサポーターから人種差別に遭い、特に昨年5月のバレンシア(Valencia CF)戦での出来事をめぐっては、世界中から怒りの声が上がった。

 ビニシウスは、レアルの本拠地サンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)で行われるスペインとの親善試合に向けた前日会見で、「長い間そうしたこと(人種差別)を目の当たりにして、そのたびに悲しくなり、プレーへの意欲が削がれている」と述べた。

 人種差別に関する質問への回答中に涙を流す場面もあったが、スペインを離れて別の国でプレーしようとは思わないとコメント。「そうすれば、人種差別主義者たちの望みをかなえることになってしまう。自分は世界最高のクラブに残り、たくさんのゴールを決めるところを見せつけたい」と語った。

 スペイン代表DFで、レアルでビニシウスとチームメートのダニエル・カルバハル(Daniel Carvajal)はこの日、スペインは差別的な国ではないと発言した。

 これについてビニシウスは「スペインが人種差別的な国でないことは間違いないが、ここには差別的な人が大勢いて、その多くがスタジアムにいる」とし、「何が起きるか考えずにスタジアムに行きたい」と語った。

 スペインはブラジル戦で「One Skin」という反人種差別のスローガンを掲げる。(c)AFP