【3月23日 AFP】ロシア・モスクワ北郊クラスノゴルスク(Krasnogorsk)のコンサートホールで22日、武装集団による銃撃事件が発生し、60人以上が死亡、100人以上が負傷した。現場では大規模な火災も発生したが、真夜中すぎ、非常事態省が鎮火したと発表した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。

 コンサートホール「クロッカス・シティー(Crocus City)」にいたロシア通信(RIA)の記者によれば、迷彩服を着た武装集団が建物内に乱入して銃撃。手りゅう弾や焼夷(しょうい)弾を投げ込んだ。会場内では煙が充満し、来場者が悲鳴を上げながら非常口に殺到する中、火災があっという間に広がったという。

 会場にいた音楽プロデューサーは、ロックコンサートの開演前に着席しようとした時に銃声が聞こえ、「たくさんの悲鳴」が上がったと説明。「自動小銃の発砲音だとすぐ気付き、おそらく最悪の事態、テロ攻撃だろうと分かった」と話した。非常口に向かってわれ先に走り出した観客が折り重なり密集状態になったという。

 国内メディアによると、重大事件を担当するロシア連邦捜査委員会(Investigative Committee)は23日、当初40人と発表していた死者数を、60人以上に修正した。

 ミハイル・ムラシコ(Mikhail Murashko)保健相は、子ども5人を含め、115人が入院していると明らかにした。このうち子ども1人と大人60人は重体だという。

 ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は国内メディアに対し、「テロ」事件として捜査を開始する一方で、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は最新情報を逐一受け取っていると明らかにした。

 現場では、ロシア国家親衛隊(ロスグバルディア)が容疑者の捜索を続けている。AFP記者は、警察犬を伴う警察官が会場の隣に止められている複数車両を調べているのを目撃した。

 ISは、同組織の戦闘員がモスクワ郊外で「大規模な集会」を攻撃し、「拠点に無事退却した」との声明を発表している。(c)AFP