【3月22日 AFP】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)で21日、イスラエル兵がユダヤ教に改宗したパレスチナ人を射殺した。西岸の町ヘブロン(Hebron)のユダヤ人コミュニティーの広報担当者ノーム・アーノン(Noam Arnon)氏が明らかにした。

 アーノン氏は現地メディア「アルーツ・シェバ」に対し、「痛ましいことにけさ、(ユダヤ教への)改宗者のダビド・ベン・アブラハム氏(62)の人生が終わった」と語った。

 アブラハム氏は2020年にユダヤ教に改宗した。アーノン氏とは友人同士だったという。

 アブラハム氏は、ヘブロンとエルサレム(Jerusalem)の間にあるエラザール(Elazar)交差点で兵士に不審者と判断されて撃たれ、その傷が原因で死亡したという。

 一方、イスラエル軍は「兵士はエラザール交差点で不審なパレスチナ人に発砲した」「パレスチナ人はその傷が元で死亡した」と述べたが、パレスチナ人の身元は明らかにしなかった。

 AFPはイスラエル軍にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

 アブラハム氏は以前、メディアの取材に対し、ユダヤ教への改宗を理由にパレスチナ自治政府(PA)に逮捕されたことがあると語っていた。

 パレスチナ自治区の保健当局によれば、昨年10月7日にイスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の軍事衝突が始まって以降、西岸ではイスラエルの軍や入植者によってパレスチナ人444人以上が殺害されている。20~21日の2日間だけでも、アブラハム氏の他に8人が殺害された。(c)AFP