【3月21日 CGTN Japanese】中国では、ココ・リー(李玟)、テレサ・テン(鄧麗君)、レスリー・チャン(張国栄)らなど亡くなったスターをAIで「生き返らせた」動画がインターネットで公開され、物議を醸しました。

 生成AI技術の発展に伴い、中国では亡くなった人をAIで「生き返らせる」現象が起きており、特にスターなどの有名人を遺族の許可なく「復活」させていることが注目されました。

 中国政法大学データ法治研究院の張凌寒教授によれば、中国の『民法典』に記述されている死者の人格権益の保護には肖像権、プライバシー権、名誉権が含まれています。死者がAI技術により「生き返る」場合には、死者の近親者の同意を得なければ権利侵害になります。さらに「インターネット情報サービス深度統合管理規定」は、深度統合サービスの提供者と技術支援者に、顔や声などの生体認証情報の編集機能を用いる場合には法に基づき、編集の対象となる本人に深度統合合成の利用者であることを明らかにした上で、同意を得ることを要求しています。

 張教授はこれらの状況を踏まえ、「ファンがスターを『生き返らせ』ようとする場合に、遺族の同意を得ることは難しいと想像できる。こうした行為が権利侵害行為であることに疑いの余地はない」と指摘しました。

 なお、「生き返らされた」有名人の遺族の多くが、同行為に抗議しました。すでに亡くなった有名人をAIにより「復活」させた動画には配信停止の措置が取られています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News