【3月20日 AFP】イタリアサッカー連盟(FIGC)は19日、同国セリエAのインテル(Inter Milan)に所属するDFフランチェスコ・アチェルビ(Francesco Acerbi)が、17日のナポリ(SSC Napoli)戦でブラジル出身のファン・ジェズス(Juan Jesus)に人種差別的な発言をした疑いがあるとして、調査を開始したと発表した。

 ジェズスは主審に抗議し、「(アチェルビが)ニグロと呼んできた」と伝えているように見えたが、試合後には具体的な暴言の内容は避けつつ、アチェルビ本人からフィールド上で謝罪を受け取ったと明かし、「ピッチで起きたことはピッチにとどまる」と話していた。

 この件を受け、アチェルビは翌18日、ベネズエラとエクアドルとの親善試合に臨むイタリア代表の合宿を離脱した。

 ところがアチェルビは離脱に際し、人種差別的なことは言っていないと報道陣に否定し、これにジェズスが反発。インスタグラムで「きょうのアチェルビの発言は実際に起きたことや彼がピッチ上で言ったことと完全に矛盾している」と怒りをあらわにし、「アチェルビには『失せろ、黒人。お前はただのニグロだ』と言われた。それが今は態度を変えて、人種差別はなかったと主張している」と指摘していた。

 今回の件でアチェルビは10試合の出場停止処分を科される可能性がある。その場合はインテルでのシーズンは終了となり、6月14日開幕の欧州選手権(UEFA Euro 2024)も出場不可になる可能性がある。(c)AFP