【3月20日 AFP】テニス、マイアミ・オープン(Miami Open 2024)は19日、女子シングルス1回戦が行われ、元世界ランキング1位のシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)は6-1、4-6、3-6でパウラ・バドサ(Paula Badosa、スペイン)に逆転負けを喫し、初戦敗退となった。

 現在32歳のハレプにとって、この日は2022年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2022)以来の公式戦。ハレプは薬物違反で4年間の出場停止処分を科されていたが、今月にスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定で処分が9か月に軽減され、即座のツアー復帰が可能となっていた。

 第1セットは以前を思わせる強さを見せ、主に同胞からなる人数は少ないが熱心な応援団の声援も受けた。しかし2時間近い戦いの後半は苦戦。第2セットには肩の治療を受ける場面もあり、疲労の色が濃くなる中でサーブの正確性を欠いていった。

 今大会にはワイルドカード(主催者推薦)を受けて出場したが、元世界ランク1位のキャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)からはハレプの出場を認める流れについて批判的な声も上がっていた。

 ウォズニアッキは「シモナのことを直接非難するわけではないが、誰かが故意に違反したときやドーピングで陽性になったときは、スター選手が欲しい大会のことも理解できるが、ワイルドカードを与えるべきではないと思う。これは私の個人的な考えであって、誰かを攻撃するものではない」と発言。

「失敗を犯して、そこから戻ってきたいのであれば、どん底からはい上がってくるべきだと思う」と主張し、「(ハレプの)処分は短縮されたのであって取り消しではない」と指摘した。

 ウォズニアッキのコメントについて問われたハレプは、発言の動機が分からないとした上で「私は何も悪いことをしていない。不正はしていないし、ドーピングもしていない。CASの裁定を読んだ方がいいと思うが、あれは(禁止薬物が混入した)サプリメントの汚染の問題で、ドーピングではなかった」と反論。ワイルドカードを与えてくれた大会側に感謝するとし、復帰を喜んだ。

 復帰戦の内容については「感触はとても良かった。気持ちが高ぶったが、それも前向きなものだった。自分を応援してくれる観客を見てすごく力になったし、テニスのレベルもかなり良かった。多くの人にとっては予想外だったのではないかと思う」と述べ、初戦としては満足していると語った。(c)AFP/Simon EVANS