【3⽉24⽇ Peopleʼs Daily】高速列車「復興号」1編成を製造するために、企業何社が協力しているのか。答えは2100社以上だ。高速列車の車両には4万点以上の部品がある。関連する企業は20余りの省に分布する。

 鉄道車両については、完成車両のメーカーである中国中車(CRRC)が「チェーンのリーダー」として、中小企業6000社以上を束ねている。湖南省(Hunan)株洲市(Zhuzhou)や四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)ではそれぞれの特色のある鉄道関連産業クラスターが形成された。

 中国の高速鉄道は、車内で硬貨を立てても倒れないほどの安定走行を実現した。最大の決め手になったのはダンパーで、中国中車と聯誠集団は共同で10年間をかけて技術上の難関を突破した。中車株洲電力機車サプライチェーン管理センターの斉然(Qi Ran)副総監は「中国製ダンパーは世界トップ水準です」と太鼓判を押した。

 中国中車の孫永才(Sun Yongcai)会長によると、同社は鉄道関連の製造を通して蓄積した豊富な技術革新や研究開発、管理の経験を300社以上と共有することで、技術や品質の向上を促している。産業チェーンの中で独自の「妙技」を会得した企業が頭角を現す状況という。

 湖南省株洲市には、鉄道車両産業の川上・川下の企業400社以上が集中している。同分野では世界一の密集度だ。同市では、コーヒーを1杯飲む時間内に、電気機関車1台が必要とする1万点以上の部品を製造できるという。前出の斉副総監は、株洲ならば鉄道車両産業の80%以上を解決できると説明した。

 2023年には中国製の地下鉄列車がトルコに導入された。株洲で行われた開発は、発注側の予想をはるかに上回る6か月で完了した。2022年に中国が初めて韓国に輸出した在来線型2階建て観光列車車両も株洲で製造された。すべての重要部品を市内で製造することで、引き渡しまでの期間はわずか4か月半だった。

 成都市でも鉄道車両の産業群が旺盛に発展している。産業チェーンの160社が続々と拠点を置き、産業集積度は60%に達した。成都市内を東西に延びる石木路では、トラックが絶え間なく、道の北から南に向けて荷物を運搬している。南には産業チェーンの中核の中車成都機車車両があり、北側には関連企業が集まっているからだ。

 同市では、「道路の両側」に需要と供給の両端を集約することで、技術交流も迅速化した。かつては小さな工場が分散していたが、1か所に集約して各企業の規模拡大を支援したことで、中国で5番目に大きい鉄道車両生産拠点が出現した。

 鉄道車両に限らず、さまざまな分野の産業チェーンで、大中小企業がプロジェクトの共同推進に取り組み、資源やリスク、さらには利益を共有している。中国の産業チェーンやサプライチェーンではそのことで強じん性と安全水準が効果的に引き上げられ、産業全体のストレス耐性ももたらされたという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News