【3月16日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に15日、キプロスからの「海上回廊」を利用した最初の支援船が到着し、食料の荷降ろしが開始された。イスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエル軍による紛争は5か月以上に及び、ガザ住民は飢餓の脅威にさらされている。

 AFPの映像には、12日にキプロスを出航したスペインのNGO「オープン・アームズ(Open Arms)」の同名の船が、食料200トンを積んだバージ船(はしけ)をけん引する様子が捉えられている。

 オープン・アームズと協力している米国の慈善団体、「ワールド・セントラル・キッチン(World Central Kitchen)」は、キプロスのラルナカ(Larnaca)港で豆、肉の缶詰、小麦粉、米、デーツ(ナツメヤシの実)などを積んだ別の船も準備していると明らかにする一方で、支援物資のガザへの搬入には陸上輸送を増やす必要があると強調。

 同団体のフアン・カミロ・ヒメネス(Juan Camilo Jimenez)氏は、「幹線道路を利用したガザへの物資搬入を目指している」とX(旧ツイッター)に投稿した動画で語っている。

 一方、イスラエル軍は、支援物資が荷降ろしされる間、桟橋周辺の「安全確保」のため、部隊を派遣し、支援船について「隅々まで保安検査を行った」と明らかにした。(c)AFP/Adel Zaanoun with Robbie Corey-Boulet in Jerusalem