【3月14日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)のアニェス・カラマール(Agnes Callamard)事務総長は13日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の住民への支援物資搬入ルートとして海空経由を模索しないといけない状況について、国際社会が無力であることの表れだと述べた。また、陸路での支援を滞らせているイスラエルの責任を追及する必要があると訴えた。

 カラマール氏はスペイン・マドリードで、陸路での物資搬入を遅らせているイスラエルを非難し、「国際社会はイスラエルの責任追及に向け準備しなければならない」と語った。

 さらに、「上空からの物資投下や(海路での物資搬入のための)港の建設は国際社会が無力で弱いことの表れだ。その一方で(イスラエルに)武器を輸出しており、全く受け入れがたい」と述べた。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は先に、ガザ沿岸に臨時の物資受け入れ拠点を設置する計画を発表。国防総省は設置には最長60日間を要するとしている。

 カラマール氏はこれについて、「なぜ2か月もかけて投資するのか」とし、国際社会がガザの現状がまだ続くとみていることの証左ではないかとの見方を示した。

 その上で、「ジェノサイド(集団殺害)を防止する責任を含め、国際的な義務を順守しようとするなら、なすべきことは別にある」と訴えた。(c)AFP