【3月12日 東方新報】中国が新型のオーニソプター(羽ばたきで飛行する航空機)を開発した。専門家は「このかわいい鳥のような形の飛行機は、民間用途にも軍事用途にもその応用の可能性は非常に大きい」と述べている。

 中国中央テレビ(CCTV)の3月2日の報道によると、陝西省(Shaanxi)西安市(Xian)の西北工業大学(Northwestern Polytechnical University)の航空機バイオニクス研究チームが開発した、鳥ほどの大きさの小型ハヤブサ型オーニソプターが、最近披露された。

 鳥が飛行中に羽ばたくと、翼が伸びたり折りたたまれたりすることで飛行効率が上がる。このオーニソプターはこのパターンを学習し、全く新しいタイプの「コーンクランクメカニズム(回転運動を直線運動や他の形の運動に変換するために使用される機械的メカニズム)」の開発によって、実際の鳥の羽ばたきを模倣できるようになった。

「CFD(数値流体力学)」のシミュレーションと風洞実験によって最適化された設計で、この飛行機は羽ばたきながら翼をたたんだり、飛行中に片方の翼だけをたたんだり、羽ばたきの速度を調整したり、翼をロックして滑空したりすることができる。

 これらの特徴を備えた小型ハヤブサ型オーニソプターは、同種の鳥型飛行機の中で最も敏捷性が高く、最も鳥に近い飛行動作ができるという。

 CCTVは、オーニソプターの試験飛行のビデオ映像を放映したが、それを見たネットユーザーから「本物の鳥の違いを見分けるのはとても難しい」と大きな反響があった。

 中国航空専門家は3日の環球時報の取材に対し「高度にバイオミメティック化(生物模倣)されたオーニソプターと本物の鳥を見分けるのは、特に上空にいるときは肉眼での判別は難しい」と答えている。

 また「現代の固定翼機や回転翼機は、主に電磁波、騒音、視認性に重点を置いてステルス性を追求しているが、オーニソプターは認識性の面でステルス性を実現している」と解説している。

 専門家は「この新鋭の鳥型飛行機は、民間用途では生態系監視や環境保護活動に適し、野生動物を怖がらせることもない。また軍事面では偵察、監視、特殊作戦にも適している」と高く評価している。(c)東方新報/AFPBB News