【3月9日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のボルカー・ターク(Volker Turk)高等弁務官は8日、イスラエルが占領下のパレスチナ自治区で入植地を拡大していることについて、「戦争犯罪」に当たると指摘し、パレスチナ国家樹立の可能性を完全になくす恐れがあると警告した。

 ターク氏は国連人権理事会(UN Human Rights Council)への報告書で、イスラエルがガザ地区(Gaza Strip)で無慈悲な攻撃を続ける一方、ヨルダン川西岸(West Bank)で違法な入植者用住宅の建設を大幅に加速していると主張。イスラエルによる入植地の建設・拡大は、自国民を占領地に送り込むのに等しいと指摘した。

 さらに、こうした行為は「戦争犯罪」に相当し、「関与した者は個人として刑事責任を問われる可能性がある」と述べた。

 報道によれば、イスラエルは「国際法を無視」して、ヨルダン川西岸のマーレアドゥミム(Maale Adumim)とエフラット(Efrat)、ケダール(Kedar)で、入植者用住宅3476戸の建設を計画している。

 スペイン外務省も同日、イスラエルがパレスチナ国家と共存する「2国家解決」に向けた努力を台無しにし、「和平への障害になる」としてイスラエルの入植地拡大計画を「強く非難」した。

 フランス外務省も計画を「強く非難」し、イスラエル政府に「直ちに撤回」するよう求めた。(c)AFP