【3月8日 CNS】昨日、中国の新興カフェチェーン「庫迪珈琲(Cotti Coffee)」は3か月間の「全品9.9元(約204円)無制限」キャンペーンを開始、価格競争を続けている。中国のカフェチェーン大手「瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー、Luckin coffee)」と庫迪珈琲は一杯あたり10元未満の価格で急速に市場シェアを引き上げていたが、「9.9元」キャンペーンは次第に減少し、ラッキンコーヒーはもはや「競争」を続けず、再度、価格体系を強化している。   

 一連の拡大戦略の下、ラッキンコーヒーは2023年に中国市場での総売上高が前年比で87.3パーセント増の248億6000万元(約5134億円)に達し、米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)の中国法人、星巴克企業管理中国(スターバックス中国)を超えて中国国内市場最大のコーヒーチェーンブランドとなった。また、最新の決算データによれば、2023年には新規取引顧客数が9500万人以上に増加し、過去最高を記録した。四半期の自社店舗収入は前年比89.2パーセント増の51億300万元(約1054億円)で、共同経営店舗収入は前年比109.1パーセント増の17億6400万元(約約364億円)だった。

 しかし、大幅な割引が利益を圧迫し、四半期の利益成長率は前年比8ポイント減少した。ラッキンコーヒーは決算報告書で「会社の予想通りの結果だ」と述べているが、クーポンの「減少」は業界から競争戦略の変化の兆しと解釈されている。

 昨年12月13日に、世界のコーヒー市場を調査・分析する英「アレグラ・ワールド・コーヒー・ポータル(Allegra World Coffee Portal)」が発表した最新の報告によれば、過去12か月間で、中国のコーヒーブランドの全世界の店舗総数が初めてアメリカを超え、4万9700店舗でトップに立った。全世界市場で拡大した約1万8000店舗の中国のコーヒーブランドの店舗の中で、1万1000店舗以上の新規店舗はラッキンコーヒーとコッティコーヒーだという。

 中国国内では、競争は価格の面だけでなく、下沈(かしん、中国の3級都市以下の都市および農村)市場にも及んでいる。統計によると、2023年末までに、ラッキンコーヒーの国内店舗数は1万6218店舗に達した。また、昨日時点で、コッティコーヒーの店舗数はすでに7000店舗に達している。

 ラッキンコーヒーは戦略を変えている。2024年には、ラッキンコーヒーの店舗数は2万店舗を超えると予想されている。

 業界の分析では、長い目で見れば、下沈市場は中国のコーヒー市場の規模を倍増させる可能性があるが、短期的には価格競争が続き、大量のコーヒーショップが登場する中で、下沈市場の競争はますます激化する見込みだという。

「新ブランドの登場と割引は、下沈市場の消費者の流出のリスクを高める可能性がある」と、北京国際商業貿易センター研究基地の首席専門家、頼陽(Lai Yang)氏は述べている。戦略の静かな変更後においても、ラッキンコーヒーの道のりはまだ長いとみられる。(c)CNS-北京日報/JCM/AFPBB News