【3月5日 AFP】オーストリア出身の元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバー、ゲルハルト・ベルガー(Gerhard Berger)氏が、1995年のサンマリノGP(San Marino Grand Prix)後に盗まれていた自家用車のフェラーリ(Ferrari)が発見されたと、英ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service)が4日、明らかにした。

 ベルガー氏は1995年4月、イタリア・イモーラ・サーキット(Imola Circuit)近くで活動していた自動車窃盗団の被害に遭った。盗まれたのは赤のフェラーリ「F512M テスタロッサ(F512M Testarossa)」で、ホテルから消えたと説明していた。当時のスタードライバーであるジャン・アレジ(Jean Alesi)氏も、同じ日に車を盗まれていた。

 ロンドン警視庁によると、2023年に英国のブローカー経由で米国のバイヤーが購入しようとしていた車が盗難車であることが判明したとフェラーリから通報を受け、今年1月に捜査が立ち上げられたという。

 追跡調査から4日で、車がベルガー氏から盗まれた直後に日本へ輸送され、2023年後半に英国に持ち込まれたことが判明。警察は英国から輸出されるのを防ぐため、この車両を押収した。

 捜査を指揮した警察官は、「35万ポンド(約6700万円)近くの価値があるこの盗難車は、28年以上も所在不明になっていたが、われわれはわずか4日間で追跡できた」とし、「われわれは迅速に、英国家犯罪対策庁(NCA)をはじめフェラーリや国際的な自動車ディーラーらと協力した。この連携は、車両の背景を理解し、この国から輸出されるのを防ぐのに役立った」と述べた。

 ベルガー氏は、1984年から1997年までの14シーズンにわたってF1で活動し、当時最も人気の高いドライバーの一人として知られた。通算では計10勝を記録し、特にフェラーリでは2度にわたって年間3位の好成績を挙げた。(c)AFP