【3月1日 AFP】ハイチで2月29日、首都ポルトープランス全域で銃撃戦が起き、警察官4人が死亡した。有力ギャングのリーダーが同日、アリエル・アンリ(Ariel Henry)首相を退任させるため、複数の武装集団が同時攻撃を行っていると発表した。

 攻撃はアンリ首相がケニア訪問中に起こった。

 武装集団は市内の複数の警察署を襲撃し、うち2か所は放火された。警察学校とトゥサン・ルーベルチュール国際空港(Toussaint-Louverture International Airport)も攻撃された。

 攻撃を主導したのは「バーベキュー」の愛称で知られるギャングリーダー、ジミー・シュリジエ(Jimmy Cherisier)氏。

 シュリジエ氏は攻撃開始前にソーシャルメディアに投稿した動画で、「きょう、全ての武装集団はアリエル・アンリ首相の退任を求め行動する」と宣言した。

 ハイチは近年、全国が武装ギャングの影響下に置かれ、暴力が激化。経済と公共医療は壊滅的状況にある。

 同時に政治に対する市民の不満も高まっており、2月にはアンリ首相に予定通り退任するよう求める大規模抗議デモが発生した。

 2021年のジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件の後に結ばれた政治合意では、総選挙を実施し、今年2月7日にアンリ首相が政権移譲することになっていた。だが、アンリ氏はこれを行わなかった。

 ハイチ国立大学(State University of Haiti)関係者はAFPに、学生が一時人質に取られたが、その後解放されたと話した。少なくとも1人が撃たれ、負傷した。

 空港では飛行機とターミナルで火災が発生。航空各社は国内・国際便の欠航を決めた。(c)AFP