【8月8日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は7日、ギャングによる暴力が続くハイチで、今年上半期だけで女性や子ども約300人が犯罪組織により誘拐されたと明らかにした。誘拐は「身体的・精神的にも深刻な傷」を残すとし、急激な増加に警鐘を鳴らした。

 ユニセフによると、2023年上半期の誘拐件数は22年全体の数にほぼ等しく、21年に比べ3倍となっている。

 ユニセフのラテンアメリカ・カリブ海(Caribbean Sea)諸国地域事務所のギャリー・コニール(Garry Conille)所長は、「女性や子どもは商品でも交渉材料でもない。想像を絶するほどの暴力に決してさらされてはならない」と述べた。

 コニール氏は、ハイチ全体の状況は「破滅的」だとし、子ども約300万人を含む人口の約半数近くが人道支援を必要としていると述べた。また、誘拐されたすべての人を速やかに解放し、無事に帰宅させるよう訴えた。

 ハイチでは首都ポルトープランスの8割を犯罪組織が支配しており、誘拐やレイプ、強盗や殺人が日常的に発生している。(c)AFP