【3月1日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の保健当局は2月29日、ガザ市で食料支援に殺到した住民にイスラエル軍が発砲し、100人以上が死亡したと発表した。

 ガザ保健当局は、死者112人、負傷者750人以上に上る「大虐殺」だと非難した。

 一方、イスラエル軍は、必死になったガザ住民が支援物資を積んだトラック38台を取り囲んで「群衆事故」が起き、トラックにひかれるなどして、数十人の死傷者が出たと発表した。

 ただし、あるイスラエル関係者は、同軍が群衆に「脅威を感じた」ため群衆に発砲したと認めた。

 夜明け前に起きたこの事態をめぐっては情報が錯綜(さくそう)している。

 匿名で取材に応じた目撃者によれば、ガザ市西部のナブルシ(Nabulsi)環状交差点で、群衆数千人が支援物資を積んだトラックに殺到。戦車に「近づきすぎたために」、イスラエル兵が群衆に向けて発砲したと語った。

 イスラエル軍のダニエル・ハガリ(Daniel Hagari)報道官は、同軍はトラックを待ち受けていた群衆を解散させるため「数発の威嚇射撃」を行ったと説明。群衆が増えすぎたためトラックの車列が後退しようとしたところ、「不幸な事故でガザ住民数十人が死傷した」と語った。

 イスラエル軍が公開した空撮画像には、ガザ住民とされる大勢の人がトラックを取り囲む場面が写っている。(c)AFP/Adel Zaanoun and Robbie Corey-Boulet in Jerusalem