【2月28日 CGTN Japanese】中国西部の青海省でこのほど、西北農林科技大学のチームが青海省西寧市動物疫病予防コントロールセンターと共同で育成した「クローンチベットヒツジ(Tibetan sheep)」が順調に誕生しました。体細胞クローン技術を用いて現存するチベットヒツジ群の優良個体の生殖質を復元・保存し、優良種チベットヒツジの効率的な繁殖に用いるのはこれが初めてです。

 初めて生まれたクローンチベットヒツジは重さ3.4キログラムで、臨床検査の結果、健康状態は良好です。現在、基地では2匹のクローンチベットヒツジが誕生しています。

 チベットヒツジの繁殖業はチベット高原の農民・牧畜民の主要な収入源の一つですが、チベットヒツジの繁殖効率は高くなく、優秀な繁殖雄ヒツジの利用率も低いため、産業の発展に大きな影響を与えています。研究チームは2018年からヤクとチベットヒツジの胚工学応用技術の研究に取り組んできました。

 オイラーヒツジ(Oula sheep)はチベットヒツジの一種で、丈夫で四肢が長く体が大きいのが特徴です。今回の研究では、青海省河南モンゴル族自治県の、体重200キロ余りで、繁殖雄ヒツジコンテストで何度も受賞したトップクラスのオイラーヒツジを含む優良な繁殖雄ヒツジ3頭と雌ヒツジ1頭が選ばれました。 

 今回クローン胚を移植した43頭の雌ヒツジの初回検査での妊娠率は58.1パーセント、120日後の妊娠率は37.2パーセントに達しており、今後子ヒツジが次々と生まれてくることが予想されます。

 良質な繁殖ヒツジの遺伝情報はクローン技術を使えば100パーセント複製することが可能で、その遺伝資源を十分に利用し、拡大することができます。これは、現地の農民・牧畜民の増収および現地の繁殖産業の発展に科学技術の力で貢献することになります。(c)CGTN Japanese/AFPBB News