【2月28日 CNS】国営企業の山東省港口集団有限会社(通称「山東港口」)の青島港(Qingdao Port)は2月15日、「アルファ自由号」の荷揚げ作業中に「一艙多機(同じ船艙で数台の機械の同時作業)」協調作業とガントリークレーン自動化の「一対二操作(一つの操作パネルで二台のガントリークレーンを操作すること)」モードを導入した。これらのモードは中国で初めて応用され、ガントリークレーンと移動機械の自動化および遠隔操作作業を実現し、伝統的な「一人一機(一人で一台の機械しか操作できないこと)」の手動操作モードを改善し、生産作業の安全を確保しながら作業効率を向上させ、作業環境を改善し、労働強度を低減させた。

 山東港口青島港前港支社の安全環境保護科学技術部の趙偉麗(Zhao Weili)副マネージャーによると、ばら積み貨物の荷役を行う伝統的なガントリークレーン作業時、慣性のために荷物をつかむ部分は制御しにくく、クレーンバケットが船艙に衝突するリスクがある。特に荷揚げ作業段階では、ガントリークレーンと移動機械が協調作業を必要とし、ホイールローダーや油圧ショベルの運転手が艙内の荷役作業を行う際には一定の安全リスクを伴う。また、運転手が長時間頭を下げた姿勢で作業すると、職業病を引き起こしやすい。これらの問題に対処するため、青島港はガントリークレーンの自動化改造を施し、「一艙多機」協調作業とガントリークレーン自動化の「一対二操作」モードを提案した。

 趙副マネージャーの紹介によると、「一艙多機」の協調作業は2台のガントリークレーン、そして、ガントリークレーンと移動機械の二つの部分から成り立っている。同じ船艙で2台のガントリークレーンが作業する際、安全距離の確保、衝突回避レーダーセンサなどのハードウェアと、アルゴリズム計算などのソフトウェアを利用し、ガントリークレーン同士の協調作業の安全を確保する。ガントリークレーンと移動機械が協調作業する際には、両者のリアルタイム位置データの交換などを通じ、クレーンバケットと移動機械の避ける動作を実現し、ガントリークレーンと移動機械の協調作業の安全性を確保する。

 ガントリークレーン自動化の「一対二操作」の新モードは、運転手が一つの操作パネルで二台のガントリークレーンを操作することを指す。趙副マネージャーによると、二台のガントリークレーンが同時に動作する際、操作パネルは自由に切り替わることになっている。あるガントリークレーンの自動運転に問題が発生した場合、システムは自動的に問題のあるガントリークレーンから交代し、運転手に操作を引き継ぐ。

 これら二つの新モードの応用は、伝統的な「一人一機」の操作モードが徐々に廃止され、代わりにガントリークレーンの自動化と遠隔操作が新たな標準となることを示している。趙副マネージャーは、これら二つの新モードの普及と応用が、将来的には業界の効率向上と労働保護の模範となり、労働者により安全で健康的な作業環境を提供し、より大きな利益を企業にもたらすことが期待できると述べている。 (c)CNS/JCM/AFPBB News