【2月23日 AFP】フランス当局は22日、説教で女性やユダヤ人に対する憎悪をあおったとされるチュニジア人のイマーム(イスラム教指導者)を国外退去させた。ジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相がX(旧ツイッター)で明らかにした。

 ダルマナン氏によれば、南部の小さな町バニョールシュルセーズ(Bagnols-sur-Ceze)で活動していたイマーム、マジョブ・マジョビ(Mahjoub Mahjoubi)容疑者は「逮捕から12時間以内に」チュニジアに送還された。

 同氏は、最近可決された移民に対する規制を厳格化する新移民法案が「フランスをより強くする」「実例」だと主張した。新法は、世論調査での極右政党の台頭への政府の対応の一環とみられているが、左派政党からは強く反対されている。

 ダルマナン氏はマジョビ容疑者を「容認できない発言をした過激なイマーム」と呼び、「規則は厳格に運用されなければならない」と述べた。

 AFPが確認した出国命令書によると、マジョビ容疑者は2月の説教で、フランスの価値観に反する行動や女性差別、ユダヤ人コミュニティーとの対立、イスラム原理主義運動の先鋭化を促す「時代錯誤で不寛容、暴力的な」イスラムの教えを説いた。

 マジョビ容疑者はユダヤ人を「敵」と呼び、「欧米社会の破壊」も呼び掛けたという。

 マジョビ氏の弁護人は、国外退去について異議を申し立てる意向を示した。(c)AFP