【2月20日 CNS】辰年の春節(旧正月、Lunar New Year)が近づくにつれ、中国各地で自作自演の「村晩」が次々と開催され、ライブ配信プラットフォームを通じて多くのオンライン視聴者を引きつけている。

「村晩」とは「農村春節聯歓晩会(通称「春晩」、春節を祝う中国の国民的年越し番組)」の略で、元々は春節期間中に中国の農民が自作自演する農村の文芸の夜会だった。公式の中国中央テレビ(CCTV)による春晩の初回から2年も前の1981年の大みそか前夜には、浙江省(Zhejiang)麗水市(Lishui)月山村で中国初の「村晩」が開催された。

 40年以上もの長き発展を経て、「村晩」は「村超(村サッカースーパーリーグ)」や「村BA(村バスケットボール大会)」に続き、田舎の人々から広く愛される文化活動となっている。このほど、中国文化観光部は2024年の春節「村晩」のデモンストレーションリストを発表し、91か所の拠点が選ばれたが、これは前年比17か所増にあたる。

 現在、「村晩」は春節だけにとどまらない。データによると、過去一年間で中国の「村晩」デモンストレーションイベントは2万回以上開催され、参加者数は延べ約1億3000万人に達し、現在登録されている関連芸術文化団体は46万以上もある。

「村晩」はリアルのステージでの人気にとどまらず、多くのネットユーザーの注目も集めている。データによると、2022年12月から翌年12月までの間に、中国版ティックトック(TikTok)の抖音(Douyin)のみで、「村晩」は約5000回開催され、累計視聴者数は延べ2297万人に達し、これは平均して毎日13回の「村晩」がライブ配信され、平均視聴者数は4500人以上となっていることに相当する。

「村晩」は多くの農村文化IP(知的財産権)に火をつけ、農村の民俗文化や風土人情を広め、地元の文化観光産業の発展を助け、観光客を引きつけている。先日、江蘇省(Jiangsu)からの100人以上の観光客が新春の高速鉄道専用列車に乗り、麗水市の「村晩」の魅力を体験するために特別に訪れた。江蘇省常州市(Changzhou)嘉澤鎮の2023年春季「村晩」デモンストレーションイベントのみで、周辺の住民や観光客ら、延べ10万人以上を引きつけ、業者に30万元(約633万円)以上の売り上げをもたらした。

 またオンラインでは、多くの地域がライブコマースの「特急列車」に乗り、「村晩」を通じて地元の特色ある文化観光資源や特産品などを推奨し、農村振興を促進している。直近では、安徽省(Anhui)黟県柯村鎮柯村で「村晩」が開催され、その日のオンラインライブ視聴者数は200万人以上に達し、現場の農業特産品の売上高は約3万元(約63万円)、ライブコマースで約33万元(約689万円)分を売り上げた。(c)CNS/JCM/AFPBB News