【2月20日 AFP】国連(UN)に任命された7人から成る人権問題の独立専門家チームは19日、パレスチナ人の女性・少女がイスラエル当局者に処刑されたり、レイプを含む性的暴行の被害を受けたりしている疑いがあるとして、徹底調査の実施を要請した。

 専門家チームは、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)およびヨルダン川西岸(West Bank)で女性と少女を標的にした「重大な人権侵害が行われていることを示す信ぴょう性の高い申し立て」があったと述べた。

 ガザでは「子どもを含む家族と共に恣意(しい)的に処刑されている事例」があると指摘。「女性や子どもが避難先で、または退避中に意図的に標的にされ、超法規的に殺害されているとの報告に衝撃を受けている」とした。

 さらに、「恣意的に拘束されている多数のパレスチナ人女性と少女」の多くが殴打され、生理用品や食料、医療品を支給されずに「非人道的な扱い」を受けたとの報告を紹介。少なくとも2人がレイプされたほか、「イスラエル軍の男性将校に裸にされ、身体検査を受けた」人もいるとしている。

 専門家チームは、こうした疑いについて「独立した公平な調査を直ちに徹底的に」行うよう求め、イスラエルに協力を呼び掛けた。

 人権専門家は国連人権理事会(UN Human Rights Council)に任命されるが、国連を代表する立場にはない。

 スイス・ジュネーブのイスラエル政府代表部は「真実ではなく、イスラエルへの憎悪に基づいた」主張だと反発。ただイスラエル当局としては、「信頼できる申し立てと証拠が提示されれば、治安部隊が不正行為を働いたとする主張」を調査する用意はあると表明した。(c)AFP