【2月14日 AFP】米オレゴン州当局は、まれなヒトの腺ペストの症例が確認されたと発表した。飼い猫から感染したとみられる。

 ペストが中世に大流行した際は欧州の人口の少なくとも3分の1が死亡し、「黒死病」として恐れられた。先進国での発生はまれで、現在は治療可能だが、脅威となり得る感染症であることに変わりはない。

 デシューツ(Deschutes)郡の感染者の身元は明らかにされていないが、当局によれば、現在治療中で、飼い猫から感染した可能性が高いという。

 郡の保健当局者は先週の発表で、「患者本人とその飼い猫の濃厚接触者全員に連絡を取り、予防内服を行った」と明らかにした。

 当局によれば、ヒトがペストに感染した場合、菌を保有する動物やノミなどに接触してから8日以内に発症する。

 主な症状は発熱、吐き気、倦怠(けんたい)感、悪寒、筋肉痛など。早期診断で適切な治療が行われなかった場合、腺ペストは血流感染から敗血症型ペスト、さらに肺ペストに進行する可能性があり、いずれも重篤な症状を示す。

 当局は「幸いなことに、初期段階で診断され、治療が行われたため、地域社会へのリスクはほとんどなかった」「新たな感染者は出ていない」としている。

 オレゴン州保健局によると、同地域では2015年を最後にペストの感染は確認されていなかった。(c)AFP