【2月13日 AFP】欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は12日、パレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)で「あまりに多くの命が失われている」として、イスラエルへの武器提供をやめるよう米国など関係国に呼び掛けた。

 ボレル氏はベルギー・ブリュッセルでの記者会見で、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が先週、イスラエルによるガザ攻撃について「やり過ぎ」だと語ったことに触れ、「あまりに多くの命が失われていると考えるのであれば、兵器の提供を減らしてはどうか」と述べた。

 ボレル氏はまた、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相がガザ南部ラファ(Rafah)への進軍や同地に逃れてきている100万人を超える住民の退避計画に言及していることについて、「どこに退避すればいいのか。月にでも行けと言うのか」と非難した。

 会見には、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリニ(Philippe Lazzarini)事務局長も同席した。ラザリニ氏をめぐってはイスラエルが辞任を求めているが、同氏はその考えがないことを改めて示した。

 同氏は、昨年10月7日のイスラム組織ハマス(Hamas)によるイスラエル奇襲に職員が関与した疑いを深刻に受け止め、12人を解雇したことを再確認。調査を進めており、イスラエル当局にも協力を呼び掛けていると語った。

 ガザのUNRWA本部地下にハマスのトンネルが見つかったとのイスラエルの主張についても、戦闘終結後に調査されるべきだとの考えを示した。

 ラファへの攻撃計画について、ラザリニ氏は、これまでに住民が払ってきた代償は「言葉にならない」ほど大きいとし、「人口200万人のうちの5%がわずか4か月の間に死傷したり行方不明になったりしている」と指摘。「率直に言って、ガザにおける安全な場所という言葉の意味が私には分からない」と話した。 (c)AFP