【2月12日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領が、北大西洋条約機構(NATO)加盟国への集団防衛義務を軽視する発言を行った。これに対しジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は11日、「ぞっとするほど危険だ」とし、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に「さらなる戦争と暴力」を容認するようなものだと非難した。

 トランプ氏は10日、サウスカロライナ州での選挙演説で、自身が大統領としてあるNATO首脳会議に出席した際、「大国の大統領の一人」から「われわれが国防支出未達のままロシアに攻撃されたら守ってくれるか」と尋ねられたのに対し、「支出しないのは義務の不履行ではないか」「それなら守らない。むしろやりたいようにやるようロシアに勧める」と答えたと明らかにした。

 トランプ氏は、国防費の国内総生産(GDP)比率を2%以上にするとのNATO目標未達の加盟国を以前から批判してきた。

 トランプ氏の発言を受け、バイデン氏のみならず、NATOのイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長も11日、「同盟国が相互防衛しないと示唆することは米国を含め、われわれ全体の安全保障を損ねることになる」と警告した。(c)AFP