【2月10日 AFP】北朝鮮の首都平壌に9日、ロシアからの団体旅行客が到着した。昨年8月に新型コロナウイルス対策の国境封鎖を解除して以来、初の外国人団体旅行客とされる。

 ロシアと北朝鮮は、昨年9月に金正恩(Kim Jong Un)朝鮮労働党総書記がロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談するなど関係を深めている。韓国と米国は、北朝鮮がその後、ウクライナ侵攻を続けるロシアに武器を提供していると指摘している。

 北朝鮮関連ニュースサイト「NKニュース」はロシアの旅行代理店の話として、約100人の一行は北朝鮮に4日間滞在予定だと伝えている。海沿いの都市、元山(Wonsan)近郊のスキーリゾート、馬息嶺(Masikryong)も訪れるという。

 ロシアはウクライナ侵攻により西側諸国から制裁を科されており、ロシア人が欧州や米国に旅行するのは難しくなっている。昨年、北朝鮮を訪問したロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、北朝鮮はお薦めの旅行先になると発言したと、国営タス通信は伝えている。

 専門家らは、金氏は権力を掌握した当初から北朝鮮の観光業を発展させることに特に関心を示しており、新型コロナ禍後の優先事項となっている可能性があると指摘している。

 新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)前、韓国以外からの観光客は制限されており、西側諸国からの観光客は毎年約5000人だった。(c)AFP