【2月10日 AFP】英ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service)は9日、女性とその幼い娘2人を腐食性物質で襲撃し、逃走していた容疑者の男について、テムズ川(River Thames)に飛び込んで水死した可能性が高いとの見解を発表した。

 アブドゥル・エゼディ(Abdul Ezedi)容疑者(35)はアフガニスタン出身。性犯罪歴があるが、難民として認定されたと報じられている。

 同容疑者は先月31日、ロンドン南部クラパム(Clapham)の住宅街で31歳の女性と、8歳と3歳の娘2人を腐食性物質で襲撃し、逃走した。警察は「顔の右側に大きな傷がある」とする情報を公開し、市民に警戒を呼び掛けていた。

 女性は今も入院しており、容体は安定しているが、右目の視力を失う可能性がある。

 警察は被害女性の知人とされるエゼディ容疑者の行方を追っていた。

 容疑者は、襲撃の数時間後にロンドンのチェルシー橋(Chelsea Bridge)で目撃されたのを最後に行方が分からなくなっている。

 警察によると、容疑者は橋を行き来した後、手すりから身を乗り出している姿が監視カメラに捉えられていた。すべての監視カメラの映像をあらゆる角度から検討したが、同容疑者が橋から別の場所に移動した形跡はなかったという。

 警察の担当者は記者団から容疑者は死亡したのかと問われると「彼が水に入ったとは言える。水に入ったのなら、それ(死亡)が最もあり得る結果だ」と答えた。

 英国では酸を含む腐食性物質による襲撃事件は、2017年に記録された941件をピークに減少していた。だが、酸による暴力の根絶と被害者支援に取り組む国際団体「アシッド・サバイバー・トラスト・インターナショナル(ASTI)」によると、2022年から再び急増している。(c)AFP