【2月7日 AFP】米下院は6日、共和党が提出した、イスラエルに176億ドル(約2兆6000億円)の軍事支援を供与する法案の採決を行い、一部共和党議員の造反もあり否決された。

 上院の民主、共和両党はこれに先立つ4日、ウクライナ・イスラエル支援と移民対策を盛り込んだ総額1180億ドル(約17兆5000億円)の法案の内容で合意。しかし、11月の大統領選を控えジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に政治的な成果を献上したくないドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が共和党議員に圧力をかけたため、下院では抱き合わせ法案への支持が低下。

 共和党はそれとは別建てで、対イスラエル支援に絞った単独法案を策定していた。

 この日の採決ではしかし、単独法案が承認されれば拒否権を発動する構えをバイデン氏が示したこともあって民主党議員167人が反対。共和党からも、支援と引き換えに歳出を削減する措置が盛り込まれていないとして13人が反対に回った。

 法案否決を受け、共和党のマイク・ジョンソン(Mike Johnson)下院議長は記者会見で、バイデン氏が拒否権発動をちらつかせたことについて「言語道断であり、恥ずべきだ」と批判。一方、下院民主党指導部は、単独法案は抱き合わせ法案を廃案にしようとする「冷笑的な試み」だと非難した。(c)AFP