【2月7日 AFP】2024年パリ五輪開幕まであと半年となる中、大会組織委員会のトニー・エスタンゲ(Tony Estanguet)会長が報酬をめぐって捜査対象になっていることが分かった。会長が6日に認めた。

 AFPはこの日、匿名希望の関係者の言葉として、エスタンゲ会長の報酬の受け取り方が捜査されると報道。その中で、パリ郊外に建設されたプールの完成式典に出席したエスタンゲ会長は、金融犯罪を専門とする判事による捜査が「前週」始まったと明かし、「捜査については、けさ知った」と話した。

 この件では、風刺週刊紙カナール・アンシェネが昨年10月、エスタンゲ会長が組織委員会から給与を受け取るのではなく、自身の会社を利用して組織委員会に毎月報酬を請求していたと伝えている。会長は「自分で報酬や、支払いの仕組みを決めてはいない」と話している。

 会長の報酬については2018年、税引き前で年27万ユーロ(約4300万円)にボーナスを加えた額であることが公表されたが、その前には給与額はそのほぼ2倍の額だと報じられて大きな騒動になっていた。

 組織委は広報を通じて「驚いている」とコメント。エスタンゲ会長が慈善団体等に課される給与制限を回避するため、外部コンサルタントとして報酬を受け取っているという疑惑を否定した。AFPは検察当局にも連絡を取ったが、返答はなかった。

 組織委をめぐっては、これまで他の関係者の不正疑惑が取り沙汰されているが、エスタンゲ会長は追及を免れていた。(c)AFP/Alexandre HIELARD, Tiphaine LE LIBOUX