【1月29日 AFP】ハイチで28日、3年ぶりに首都ポルトープランスで開催された国際的なジャズフェスティバル「PAPJAZZ」が閉幕した。市内では治安の悪化が深刻化しており、会場周辺は厳戒態勢が敷かれた。

 今年で17回目となった同フェスティバルは、2022年は延期。昨年は首都ポルトープランスの治安への懸念から北部の都市カパイシアン(Cap-Haitien)に変更された。

 国連(UN)は、ポルトープランス首都圏の推定8割の地区が武装ギャングの影響下、もしくは直接的な支配下にあるとしている。

 主催者の一人はAFPに、「これは、起きているすべてのことに対する抵抗の祭典であり、私たちの信念、そして前進したいという意欲を示す、自分たちなりの表現だ」と説明。首都圏の住民に「夢を持ち、共生できるという希望」を与えるための祭りだと語った。

 南北米大陸で最貧国のハイチは、武装ギャングの影響力が増しており、暴力事件が多発。経済と公衆衛生システムが混乱を極めている。国連の最新の報告書によると、昨年の殺人と誘拐件数は前年比で2倍以上に増加した。

 治安上の問題に対応するため、今年のフェスティバルは例年の8日間から4日間に短縮され、会場は、比較的安全な住宅地域に限定された。さらに、会場周辺ではボランティアと警察官が警備に当たった。

 観客の大半は外国人居住者と中間層のハイチ人で、期間中は毎晩、踊って歌いながらコンサートを楽しむ姿が見られた。(c)AFP