【1月28日 AFP】米プロレス団体WWEの共同創設者で、同団体の親会社TKOでエグゼクティブチェアマンを務めていたビンス・マクマホン(Vince McMahon)氏が、性的不適切行為で訴訟を起こされたことを受け、同職を辞任した。

 マクマホン氏は会社、さらに人材関係部門のトップを務めたジョン・ロウリネイティス(John Laurinaitis)氏とともに、WWEの元職員ジャネル・グラントさんから性的暴行と不正取引、心理的虐待の罪で訴えられていた。

 グラントさんが25日にコネティカット州の裁判所に提出した訴状によれば、マクマホン氏はグラントさんに「性的な関係」を強要し、彼女のみだらな写真や動画を男性職員とシェアし、ロウリネイティス氏らとの関係を求めるなど「下品さを増す性的要求」を行った疑いが持たれている。

 マクマホン氏は27日の発表文で「以前にも述べたように、グラント氏の訴訟には、虚偽や起こってもいない捏造(ねつぞう)されたみだらな事例が満載で、事実が悪意をもってゆがめられている。そのためこうした根拠のない主張に対して、自身を精力的に擁護するつもりだし、汚名をそそげることを楽しみにしている」と疑惑を否定した。

 その一方で「しかしながら、WWEユニバースとTKOの類いまれなビジネス、会社の理事会とステークホルダー、パートナー、構成者、そしてWWEを今日のようなグローバルリーダーに引き上げたスーパースターたちや全職員を尊重し、エグゼクティブチェアマンの職とTKO理事会を即時辞任することを決断した」と発表した。

 マクマホン氏には以前から厳しい目が向けられており、2022年には女性職員と不倫関係を持ち、口止め料として300万ドル(約4億4500万円)を支払っていたとして内部調査の対象になる中で、WWEの会長兼最高経営責任者(CEO)を辞任していた。その後も調査が続き、元WWE関連の複数女性との不適切行為や口止め料支払いの疑惑が広がる中で、娘のステファニー(Stephanie McMahon)氏が暫定CEOに指名されていた。(c)AFP