【1月19日 CNS】中国の魔性のダンス「科目三」が世界中で大ブームとなっており、最近ではネットで人気のこのダンスを中国の兵馬俑が踊る動画がSNSで話題になっている。

「科目三」ダンスは、中国の広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)のある結婚式の現場での魔性のダンスから生まれたという。「広西の人は人生において三つの試験に合格しなければならないと言われている。その科目とは、第一に山唄を歌うこと、第二にビーフンをすすること、第三にダンスを踊ることだ」という声も聞かれる。脚色とネットでの宣伝により、「第三の科目」は中国全土に広がり、さらに海を渡って日本や韓国、欧米にも伝わり、全世界で人気を博している。

 兵馬俑が「科目三」を踊る動画は、中国インターネット技術会社である阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)が提供するAI技術「Animate Anyone」によって自動生成されたものだ。現在、この技術は「阿里雲(Alibaba Cloud)」の「通義千問(Tongyi Qianwen)」アプリの最新機能となっている。ユーザーはアプリ内で「通義舞王」「全民舞王」などのキーワードを入力すると体験ページに進むことができ、多くのネットユーザーから人気を博している。 

 ユーザーは実写またはアニメ、カートゥーンの写真を1枚アップロードし、科目三、モンゴルダンス、パドルステップ、メルボルンシャッフルなどの12種の人気ダンステンプレートから選択することができる。約15分待つと、静止した写真が約10秒間のダンス動画に自動的に変換される。

「Animate Anyone」は、アリババのAI研究チームが打ち出したAIの新たなアルゴリズムだ。このアルゴリズムの機能は、人物の静止画像を動画に変換し、同時にポーズの順序を入力することで、動画の人の動きを正確に制御することができる。

 実際、動画生成は大規模言語モデル分野で非常に注目されている研究方向だ。グーグル(Google)、メタ(Meta、旧フェイスブック)、Runwayなどのテクノロジー企業は積極的に展開している。しかしこれまでのところ、人物の動画生成は人物の一貫性、動作のスムーズさと制御可能性、シーケンスの無瑕疵などの面で多くの技術的な課題に直面している。

 中国では、AI動画生成の研究開発に目玉製品といえるほどのものはまだ出現していないが、研究開発チームは次々と現れている。現在、人びとは「通義舞王」が兵馬俑を「科目三」に踊らせる動画を生成するのを見て、中国の生成的人工知能(AIGC)によるより多くの動画生成アプリの制作の可能性を見いだしている。この市場は次第に巨大なブルーオーシャンになってきており、誰が「機先を制し」、最終的な勝者になるかが引き続き注目される。(c)CNS/JCM/AFPBB News