【1月15日 CNS】中国・雲南大学(Yunnan University)は2023年12月27日、世界初の広視野・マルチチャンネル測光サーベイ望遠鏡「夢飛(Mengfei)」が撮影した初のフルカラー天体画像を公開した。これにより、二つの散開星団の天体の温度、質量などの物理化学的性質が直観的に反映されるようになった。

 雲南大学は当日、マルチ元期・マルチバンド天文学の最先端研究会と雲南大学天文学科設立10周年記念活動を開催し、雲南大学中国西南天文研究所(SWIFAR)の劉曉為(Liu Xiaowei)所長が、夢飛サーベイ望遠鏡が青、黄、赤の3チャンネル同時撮影した天体画像を公開した。

「夢飛は、世界初の広視野、マルチチャンネル高精度イメージングのサーベイ望遠鏡だ」と、劉所長は紹介した。重要な科学技術基盤プラットフォームとして、夢飛サーベイ望遠鏡プロジェクトは雲南大学の開発により、2018年1月に正式に立ち上げられた。望遠鏡の本体においては、中国科学院南京天文光学技術研究所が研究開発を担当した。2021年6月、同大学は中国科学院雲南天文台と協力し、高美古村で麗江国家天文台の建設を完成させた。

 夢飛サーベイ望遠鏡は、視野直径が2度で、3台の超大型ターゲットプレートと総画素数10億ピクセルのセグメント型大型ターゲットプレートCCDカメラを配備する予定だ。これにより、青、黄、赤の3チャンネルの天体画像を同時に撮影し、天体の超高精度測光データと色情報を提供することで、宇宙の天体の動きや変化をカラー動画で撮影できる。

 その中で、画像の色は天体の物理化学的性質を反映している。高精度の色測定は、変光星や突発天体の速やかな確認、分類、研究のための解決策を提供し、偏りのない恒星サンプルの基本的な物理化学的パラメータ(有効温度、表面重力加速度、質量、年齢など)の精密測定・大量統計を可能にした。

 2022年10月に青、赤の2チャンネル撮影による初のフルカラー天体画像を取得して以来、望遠鏡は1800時間以上の試運転を行い、7万枚以上の科学画像を取得した。2023年3月、第2の小型システムの黄/赤立方体プリズムが成功裏に開発された。調整期間中に、夢飛サーベイ望遠鏡によって標準星(場)、複数種類の変光星、突発天体のマルチ元期・マルチバンド観測を行い、重要な観測データを取得し、一連の重要な科学成果を発表する見込みだ。

 劉所長によると、夢飛サーベイ望遠鏡を基に、二つの主要な科学テーマに関する研究が行われる予定だ。一つは宇宙の周縁部の突発天体を研究すること、もう一つは宇宙に存在する大量の恒星の基本パラメータを測定し、恒星の形成や進化などのプロセスを探求することだという。(c)CNS/JCM/AFPBB News