【1月13日 AFP】米大リーグ(MLB)のシカゴ・カブス(Chicago Cubs)は12日、プロ野球(NPB)の横浜DeNAベイスターズ(Yokohama DeNA BayStars)から4年総額5300万ドル(約77億円)の契約で加入した今永昇太(Shota Imanaga)投手(30)の入団会見を行った。

 野球に対する求道者的な姿勢で「投げる哲学者」と呼ばれる今永は、背番号18のユニホームに初めて袖を通し、会見の冒頭ではカブスファンに向けて英語のスピーチを披露。その後は通訳を介して「ワールドシリーズ優勝に向けて全力を尽くします」と誓った。

 米国でのプレーを目指す大きな刺激になったのは、自身も優勝に貢献した昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)だったと明かし、「WBCの経験は間違いなく、自分がさらに成長したい、もっといいピッチャーになれるはずだと思わせてくれた大会。その経験を経て、MLBには自分の想像を絶するような能力を持った選手がたくさんいるんだなと興味を持ち、そこで自分の力を存分に出したいという気持ちになりました」と話した。

 移籍先をカブスに決めた理由については「(球団幹部との)面談で力強い言葉をいただき、自分自身、可能性が無限大に広がるチームを求めていたので、カブスに入団することが自分の成長につながると思った」と説明し、「まずは自分のポテンシャルを信じて思い切って投げてほしいと言われて、それがひとつ心に響きました。自分自身はまだ未完成だと思っているので、カブスに入団して投手コーチの話を聞いたり、チームメートの投球を見たりして、自分自身がカブスと一緒に成長して、完成に近づいていければいい」と語った。

 また、チームメートとなる鈴木誠也(Seiya Suzuki)の存在について聞かれると、「入団が決まった後に連絡して、彼も自分のことのようにうれしがってくれて、興奮していますと言ってくれた。彼と一緒に日本人のチームメート同士でカブスを盛り上げていければ光栄」と答えた。

 今永は昨季148回を投げてリーグ最多の174奪三振、防御率2.80をマーク。ベイスターズでの通算成績は1002回3分の2で防御率3.18となっている。WBCでは6回を投げて7奪三振、無四球だった。

 カブスは2016年に1908年シーズン以来のワールドシリーズ制覇を果たしたが、その後ポストシーズンのシリーズ突破は1回のみで、ここ5シーズンでもプレーオフ進出を4回逃している。(c)AFP