【1月13日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(WMO)は12日、今年はエルニーニョ(El Nino)現象の影響で、過去最高を大幅に上回り、観測史上最も暑い年となった2023年よりさらに暑くなる可能性があると警鐘を鳴らした。

 WMOによると、2023年の世界の平均気温は産業革命前(1850~1900年)の水準よりも約1.45度高かった。特に7月と8月は観測史上最も暑い2か月間だった。

 WMOのセレステ・サウロ(Celeste Saulo)事務局長は、2023年半ばに発生したエルニーニョ現象の影響で、今年はさらに気温が上昇する可能性が高いと指摘した。

 エルニーニョ現象は、世界的な気温上昇につながることが多く、通常、発生の翌年に気温上昇をもたらす。

 サウロ氏は「2023年半ばまでに、寒冷化をもたらすラニーニャ(La Nina)現象から温暖化をもたらすエルニーニョ現象に切り替わったことが、気温上昇に明らかに表れている」とし、「エルニーニョ現象が通常、ピークを迎えた後に世界の気温に最も大きな影響を与えるのを考えると、2024年はさらに暑くなる可能性がある」と述べた。

 米海洋大気局(NOAA)は、今年の気温が昨年より上昇する確率は3分の1で、暑い年の上位5番目までに入る確率は99%だと予測している。

 米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙科学研究所(GISS)所長で気候学者のギャビン・シュミット(Gavin Schmidt)氏はAFPに対し、「(昨年より)暑くなるか若干涼しくなるかは五分五分だ」とさらに高い確率を示した上で、地球の気候システムに「不可解な」変化の兆しがあるが、断定するにはデータ不足だと述べた。(c)AFP/Robin MILLARD