【1月11日 AFP】ウクライナ国境に近いロシア西部ベルゴロド(Belgorod)市当局は10日、ウクライナ軍による数週間にわたる激しい砲撃を受け、学童疎開を開始した。2022年2月のウクライナ侵攻開始以来、ロシア国内で最大級の民間人の避難となる。

 同市からはすでに約300人が疎開している。

 バレンティン・デミドフ(Valentin Demidov)市長は「きょうから21日間、ベルゴロドの児童392人はボロネジ(Voronezh)州とカルーガ(Kaluga)の町外れにある健康キャンプへ行く」と発表した。

 未就学児の息子を連れて市の中央広場を歩いていた幼稚園教諭の女性(42)は「安全な場所はどこにもない」とAFPに語った。「家でも隣町でも、どこでも(攻撃は)起こり得る」「恐怖は常にある。決して消えることはない」

 軍と交通警察が警備する駅では、リュックサックや小さなスーツケースを持った子どもたちと、見送りに来た保護者の姿が見られた。

 ベルゴロド州のビャチェスラフ・グラトコフ(Vyacheslav Gladkov)知事のテレグラム投稿によると、子どもたちの第1陣はすでに出発し、同市よりも国境から離れた隣のボロネジ州のキャンプへ向かった。

 デミドフ市長は保護者に対する調査を引用し、市内で計1300人ほどの児童が疎開の準備をしているとの推計を示した。(c)AFP