【1月9日 Xinhua News】中国の通信大手3社である中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)、中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)は2023年、第5世代移動通信システム(5G)の機能を拡張させた「5G-Advanced(5G-A)」の試験運用を開始し、裸眼立体視やモノのインターネット(IoT)、クルマのインターネット、低空飛行活動など多様な実証プロジェクトを行った。通信機器大手の中興通訊(ZTE)と中国電信は、「5G−A」の革新の十大シーンを公表し、それを利用する巨大な可能性をアピールした。

 ZTEの柏鋼(はく・こう)副総裁は、中国の5G基地局数が23年11月末時点で328万2千カ所に上り、国民経済活動97大分類のうち67分類で5Gが応用され、工業、鉱業、電力、港湾などの分野では、主にモニタリング、返信、ロボット巡回検査などに利用されていると表明。企業が5Gの機能が一段と高まり、中核の生産に力を与え、効率アップやコスト削減でさらに多くの価値を提供するよう期待し、これには「5G−A」への拡張が必要だと語った。

 柏氏によると、「5G−A」は5G技術のバージョンアップ版として、速度、遅延、接続数などの性能が大きく向上している。5Gと比べ、「5G−A」はネットワークの処理量が一段と拡大、超低遅延を実現し、さらに多くの機器の同時接続が可能となった。こうした性能の向上は、自動運転や遠隔医療、インダストリー4・0など、複雑で多様化する応用シーン需要への対応を可能にした。

 通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)中国区無線首席専門家の杜葉青(と・ようせい)氏は、標準規格から産業チェーンへ、応用から製品へ、ネットワーク検証から配置意向へと、業界は「5G−A」の商用運営に向けた準備が整っていると指摘。「5G−A」は国際的に十分な産業内のコンセンサスを得ており、24年に大規模な建設が進み、商用化が加速すると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News