【1月3日 AFP】反ユダヤ主義を容認しているとして批判を受けていた米ハーバード大学(Harvard University)のクローディン・ゲイ(Claudine Gay)学長(53)が2日、辞任した。

 ゲイ学長をめぐってはここ数か月、過去の論文で引用を適切に行っていなかったとの疑惑も浮上している。

 先月行われた下院教育労働委員会の公聴会で、共和党議員から「ユダヤ人に対するジェノサイド(大量殺害)」を扇動するような一部学生の言動は大学の行動規範に反しないのかと問われ、ゲイ学長は明確に否定しなかったために非難されていた。

 学長は辞表で、脅迫や人種的憎悪を受けたと述べた。

 ゲイ学長は昨年7月、ハーバード大学の368年の歴史で初めての黒人学長に就任した。

 しかし、民主党議員2人を含む70人以上の議員に加え、多数の著名なハーバード大出身者らがゲイ学長の辞任を求めた。一方、700人以上の教員らは学長支持の書面に署名していた。

 昨年10月にイスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエルの紛争が起こって以来、米大学内でもユダヤ人やイスラム教徒を標的とした攻撃や暴力的な言動が多く見られるようになり、反ユダヤ主義論争が起こっていた。

 アイビーリーグ(Ivy League)の名門校ではペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)の学長も辞任に追い込まれた。(c)AFP/Gregory WALTON