【12月10日 AFP】反ユダヤ主義に関する議会公聴会での発言に批判が集まっていた米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)のエリザベス・マギル(Elizabeth Magill)学長が9日、辞表を提出した。

 同大のスコット・ボク(Scott Bok)理事長は、マギル氏が「自らの意思で辞表を提出した」と学生新聞に明らかにした。マギル氏は暫定学長が任命されるまで学長職にとどまり、また法科大学院の教授は続けるとしている。一方のボク氏は即日、辞任した。

 5日に行われた下院教育労働委員会の公聴会では、マギル氏のほか、ハーバード大(Harvard University)、マサチューセッツ工科大(MIT)の各学長が証言した。

 公聴会では、大学内で一部学生が「ユダヤ人のジェノサイド(大量殺害)」を呼び掛けていることについて、回りくどく、法的な観点に基づいた証言を行い、論点をはぐらかしたと受け止められた。

 3学長の証言を受け、議員74人は即時の辞任を要求する書簡を送った。公聴会後、ハーバード大のクローディン・ゲイ(Claudine Gay)学長は謝罪を表明していた。

 マギル氏の発言についてペンシルベニア州知事は「極めて恥ずべきものだ」と非難。また、ある大口の寄付者は、経営大学院ウォートン・スクール(Wharton School)への1億ドル(約145億円)の寄付を撤回するとしている。

 ボク理事長は、マギル氏は公聴会で「倫理的な問題に法的に答えた。それは誤りだった」と指摘した。(c)AFP