【1月3日 AFP】デンマーク女王マルグレーテ2世(Queen Margrethe II、83)は昨年末、1月14日の即位52年の節目に退位し、息子のフレデリック皇太子(Crown Prince Frederik、55)に譲位すると突然発表した。これにより、オーストラリア出身のメアリー皇太子妃が王妃となり、現代のおとぎ話が完成する。

 国民の好感度が高いメアリー皇太子妃は、豪タスマニア(Tasmania)州の州都ホバート(Hobart)で1972年2月5日に生まれた。旧名はメアリー・ドナルドソン(Mary Donaldson)。

 未来の国王と初めて出会ったのは、五輪開催中に友人らと訪れたシドニーのバーだった。メアリー皇太子妃は当時、シドニーの広告代理店で働いていた。

 相手がデンマークの皇太子だとは知らなかった。フレデリック皇太子と一緒にいたのが、弟のヨアキム王子(Prince Joachim)やギリシャの二コラオス王子(Prince Nikolaos of Greece and Denmark)ら欧州の王族だったことも後から知ったという。

 数年前のインタビューでメアリー皇太子妃は「最初に握手をした」「彼がデンマーク王子だとは知らなかった。(出会ってから)30分程してから『この人たちが誰だか知っているの?』と声をかけてきた人がいた」と打ち明けている。

 フレデリック皇太子とメアリー皇太子妃は、ひっそりと遠距離での関係をしばらく続け、交際中にはお忍びでの訪問も重ねた。2003年に公式に婚約を発表し、翌2004年にデンマークの首都コペンハーゲンにある大聖堂で結婚式を挙げた。

 夫妻には4人の子どもがいる。クリスチャン王子(Prince Christian、18)、イサベラ王女(Princess Isabella、16)、そして、双子のきょうだいであるビンセント王子(Prince Vincent)とヨセフィーネ王女(Princess Josephine)。末のきょうだいは来週13歳の誕生日を迎える。

 マルグレーテ2世は昨年12月31日、即位52年の節目となる1月14日に退位し、息子のフレデリック皇太子に譲位すると表明。年齢と健康上の問題が理由だと説明した。