【12月30日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)に拘束されていた元人質の仏系イスラエル人の女性が29日に公開されたインタビューで、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)にある拉致実行犯の自宅で拘束されている間、レイプされるのではないかと恐れていたと語った。

 タトゥーアーティストのミア・シェムさん(21)は、ハマスが10月7日に行ったイスラエル南部への越境攻撃で拉致された250人の一人。

 シェムさんはイスラエルのチャンネル13のインタビューで、拘束中の最大の懸念事項はレイプだったと振り返った。

 拉致実行犯の一人の自宅で拘束されていたシェムさんは、「部屋のすぐ外には実行犯の男の妻子がいた。レイプされなかった理由はそれだけだ」と語った。実行犯はシェムさんから目を離さなかったという。

 シェムさんは砂漠で開催されていた音楽フェスティバル「スーパーノバ(Supernova)」の会場から拉致され、11月末の戦闘休止合意の一環として解放された。

 拘束中は「暗い部屋」に監禁され、話すことも禁じられていた。拉致される際の銃撃で負傷したが、痛み止めももらえなかったという。

 ハマスによる越境攻撃から2か月以上が経過する中、性暴力の報告が増加している。

 イスラエル当局は、ハマス戦闘員が越境攻撃の際に集団レイプや性器切除を行い、子どもや死体に対しても性暴力を行ったと繰り返し主張している。

 だが、生存者の証言も、法医学的証拠もとぼしく、性暴力の規模は立証困難となっている。(c)AFP