【12月29日 AFP】イスラエル軍は28日、同軍の兵士がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で人質3人を誤って射殺する数日前にも、「助け」を求める声を無視して建物を攻撃していたとする調査報告書を公表した。

 イスラエル兵は今月10日、ガザ市シェジャイヤ(Shejaiya)地区で、ヘブライ語で叫ぶ「人質」の声を聞いたが、イスラム組織ハマス(Hamas)による建物内に誘い込むための「欺瞞(ぎまん)作戦」と解釈。

 建物に爆発物が仕掛けられていると考えてその場を離れ、逃走を試みたハマス戦闘員5人を殺害した。

 人質3人はこの時に建物から逃走したとみられ、15日にイスラエル兵に脅威だと誤認され射殺された。

 3人のうち2人は即刻射殺された。3人目が逃げたところで、身元を確認するために発砲中止が命じられた。

 イスラエル軍の指揮官は「助けて」「撃たないで」という叫び声を聞き、3人目に前へ出るよう求めた。だが、近くの戦車の「騒音」で「命令が聞こえなかった」兵士2人が3人目を射殺した。

 人質3人は全員シャツを着ておらず、1人は白い旗を持っていた。

 今月14日には軍の無人機が、人質3人が射殺された場所に近い建物に「SOS」「助けて、人質3人」と書かれているのを確認していた。

 イスラエル軍トップのヘルツィ・ハレビ(Herzi Halevi)参謀総長は調査報告書とともに公表した声明で、「今回の人質救出作戦の失敗」を認め、3人の死は「防ぐことができた」と悔やんだ。(c)AFP