【12月31日 CNS】米国の学術雑誌「サイエンス(Science)」は12月1日、中国の重慶大学(Chongqing University)の研究者らによる重要な業績を掲載した。同大学の黄暁旭(Huang Xiaoxu)教授と彼のチームは、独自に開発した3次元透過型電子顕微鏡を使用し、ナノメタルの塑性変形に関する研究を世界で初めて実現し、塑性変形後にナノメタルの内部結晶方位が反転する異常現象を発見した。

 これは黄教授のチームが独自に開発した3次元透過型電子顕微鏡技術が、10年以上の開発期間を経て成熟した応用段階に入り、ナノ材料研究分野で2次元から3次元への飛躍を果たしたことを示すものだ。

 黄教授は「この技術の応用を、理論から実現するまでに10年かかった」と語る。一見単純に見える3次元画像は、実際には数十万枚の透過型電子顕微鏡写真から結晶方位情報を合成して抽出することで得られるものだと説明する。

 この技術を効率的で、正確かつ実用的なものにするために、黄教授のチームは独自の技術を開発した。これらの技術は、3次元材料科学の発展を大きく促進するものになると期待されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News