【12月28日 AFP】在韓イスラエル大使館が、イスラム組織ハマス(Hamas)を想起させる覆面集団に韓国人が襲われるという架空のシナリオを基に動画を制作し、ソーシャルメディアに投稿していたと、韓国外務省が28日、AFPに明らかにした。動画はすでに削除されている。

 韓国ニュース局YTNが報じた映像によると、動画は首都ソウルでクリスマスの日に韓国人女性が武装集団に拉致され、力ずくで幼い娘と引き離されるという筋書きだった。

 イスラエル大使館は26日、フェイスブックのアカウントにこの動画と共に「10月7日、イスラエルはハマスのテロリストに襲撃された。1200人の男女と子どもが殺害された上、240人以上が拉致され、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で人質にされた」「これが自分の身に起きたらと想像してください。あなたならどうしますか」と投稿していた。

 韓国外務省は「ハマスによるイスラエルの民間人の殺害と拉致は正当化できないが、イスラエル大使館による自国の治安情勢を他国に重ねる動画の制作・公開は不適切だと見なされた」「われわれの見解を在韓イスラエル大使館に伝え、大使館側が問題の動画を削除するという対応を取った」と説明した。

 韓国は、朝鮮戦争(Korean War)で平和条約ではなく休戦協定が結ばれたため、厳密には現在も北朝鮮と戦争状態にある。(c)AFP