【12月28日 AFP】平和主義を掲げ来年3月のロシア大統領選に立候補を届け出ていた元市議会議員、エカテリーナ・ドゥンツォワ(Yekaterina Duntsova)氏は27日、出馬できないことが確定したのを受け、政党を結成する意向を表明した。

 ロシア大統領選は、政権寄りの候補しか立候補をほぼ認められず、現職ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏の通算5選が確実視される。

 選挙管理委員会は23日、書類不備を理由にドゥンツォワ氏の立候補を認めなかった。ドゥンツォワ氏は選管の決定を不服として訴えたが、27日、最高裁判所に棄却されたという。

 これを受け、ドゥンツォワ氏は政党を結成することにした。だが、たとえ政党を結成したとしても、次期大統領選には出馬できない。

 それでも、「平和で民主的な未来、そして単なる一般常識」を望んでいるにもかかわらず、自分たちを代表する政党がないロシア人「数千万人」のために政党を結成したいという。

 既成政党に属さない独立系候補は来年1月末までに30万人分の署名が必要になるが、リベラル派の野党「ヤブロコ」のように所属国会議員がいない政党の候補でも必要な署名は10万人分で、独立候補よりも立候補が容易となっている。

 ドゥンツォワ氏は、同氏と志を同じくするロシア人は、市民イニシアチブ党のボリス・ナジェージュジン(Boris Nadezhdin)氏を候補者となるための署名集めにおいて支援できると述べた。

 ロシア政府は長年、野党勢力を選挙や政界から遠ざけてきたが、2022年にウクライナ侵攻を開始して以降、弾圧を強めている。

 強硬な国家主義者から反体制派に転じたイーゴリ・ギルキン(Igor Girkin)氏は大統領選に出馬する意向を表明していたが、過激主義の罪で起訴され、勾留されている。

 収監されている反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は、過去の詐欺罪のために2018年大統領選への出馬を禁止された。支持者らは詐欺罪について、政治的動機に基づくものだと主張している。(c)AFP