【12月28日 AFP】米インディアナ州で、ピックアップトラックで事故を起こし、20日から6日間にわたり橋の下で車中に閉じ込められていた男性が、釣り人によって発見され、奇跡的に救助されるという出来事があった。

 マリオ・ガルシアさんは義理の息子と、ポーテージ(Portage)近くのソルトクリーク(Salt Creek)で釣りの穴場を探していた際、州間高速道路94号線(Interstate 94)の橋の下で車を見つけ、通報した。

 土手での救助活動は難航したが、男性は州内の病院にヘリで搬送された。警察によると重傷だった。

 米メディアは後日、インディアナ警察の話として、男性はマシュー・リームさん(27)だと報じた。

 インディアナ州警察のグレン・フィフィールド(Glen Fifield)巡査部長によると、94号線のシカゴの南東約64キロの地点で、リームさんの車は橋から峡谷に転落し、転がって、橋の下に入った。

 警察によると、リームさんは雨水を飲んで命をつないだ。携帯電話は手の届かないところにあったため、助けを呼べなかった。

 フィフィールド氏は26日、発見者と並んで記者会見に臨み「男性がきょう生きているのも、そしてこの2人がたまたま川にいたというのも奇跡だ」と述べた。

 リームさんが生存していたのは、クリスマス前後の気温が比較的穏やかだったのが大きな要因とみられる。しかし、27日にかけて冷え込んだことから、「夜は越せなかっただろう」とフィフィールド氏は話した。

 車は車道からはまったく見えず、事故を通報した人はいなかったため、生きているうちに発見されたこと自体も奇跡的だった。

 発見者のガルシアさんは記者らに、「車の中をのぞき、白いエアバッグをどけると、体が見えた」と話した。すでに死んでいると思ったという。「体に触れると振り返ったので、あまりに驚いて自分の方が死ぬかと思った」と振り返った。

「われわれを見てとてもうれしそうだった。あれほどのほっとした表情を見たことがない」

 リームさんはガルシアさんらに、事故が起きたのは20日で、大声で助けを呼ぶなどしたがだめだったと話したという。

 ガルシアさんは「助かったのは若さのおかげと、神の助けがあったからだ」「それしか説明がつかない」と語った。(c)AFP/Michael Mathes